『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著、ダイヤモンド社) 感想(上)

dandeです。

 

久々の読書記事です。

 

今更にもほどがあるのですが、ベストセラーにもなった『嫌われる勇気』を購入したため、2~3回に分けて感想を書いていきます。

 

 

  目次

 

 

【『嫌われる勇気』】

  

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

 

本書を読むきっかけとなったのは、とある著名人が「人生哲学を学ぶならこの一冊」として本書を挙げていたことです。

アドラー心理学については、以前概要を調べたことがありますが、「他人を変えるのではなく、自分を変える」というのが印象に残っています。

 

本書は、自分に自信のない青年が、哲学者と対話する形式で進んでいきます。

 

【目的論】

 

本書によれば、アドラー心理学では、「引きこもり」について、「外に出ないという目的が先にあり、その目的を達成する手段として、不安や恐怖といった感情をこしらえている」と捉えます。

 

「職場環境に不満を持ちながら転職しない人」なども同様に捉えることができますね。

今の地位・人間関係から離れることへの不安・恐怖にさらされないために現状を維持することを「選択」していると考えられるからです。

 

本書では、「可能性の中に生きる」という表現も使われています。

異性に告白して振られるのを恐れ赤面症になっている学生を例に挙げて説明されています。

 

これは、「学歴されあれば、オレはもっとやれるのに…。」といった劣等コンプレックスにも繋がります。

よく言われる「やらない理由探し」にもつながる話ではないでしょうか。

 

【劣等感・競争から逃れる心理】

 

本書によれば、アドラー心理学では、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と定義され、「対人関係の軸に『競争』があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができない」とされます。

 

対人関係を競争で考えると、他者の幸福を「わたしの負け」であるかのようにとらえているから、祝福できないことになり、「他者全般のことを、ひいては世界のことを『敵』だと見なすようになる」といいます。

職場の人間関係の大部分はここにあるんじゃないでしょうか。

 

【幸せになる勇気】

 

なぜ他者を「敵」だとみなし「仲間」だと思えないのか。

 

その理由として、「幸せになる勇気が足りない」「人生のタスクから逃げている」ということを挙げています。

 

アドラー心理学では、「人生のタスク」は、「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」をいうとされます。

 

それぞれのタスクについての細かい説明は省きますが、共通しているのは、それらのタスクから逃げてはならない、そのままの状態で立ち止まってはならないということです。

そして、これは善悪でも道徳でもなく、「勇気」の問題であると言います。道徳的価値観から糾弾されるべき問題ではなく、ただ「勇気」の問題なのだと。

 

決めるのはあなただという非常にシンプルな答えですね。

 

 

(次回へ続く・・・)