【夜のピクニック】
【あらすじ】
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために-。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説の傑作。 (裏表紙より)
4月といえば「本屋大賞」の季節です。
2026年の大賞受賞作は、先日発表されましたね。
今回の『夜のピクニック』も過去の本屋大賞受賞作(第2回)です。最近の受賞作がことごとく当たりなので、たまには昔のを読んでみようかなと思ってポチりました。
【ざっくり感想】
約450ページの長編にもかかわらず、全編を通じて大きな事件もなく、ただただ歩くことと高校生の色恋沙汰が中心のストーリーです。
それでもなんだかんだ退屈せずに最後まで読み切れてしまう不思議。何気ないセリフ回しや小さな事件・起伏で読ませる、筆力のすごさなのかなと感じました。
帰国子女の「杏奈」というキャラが良い味を出していて、ほぼ回想シーンでしか登場しないのに印象に残りました。
特に良かった台詞が『みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。』(P.31)です。この感覚が小説全体を覆っているように思います。ただ歩くだけの行事。ペアとして選んだ同級生と歩く自由歩行。夜だからこそ話せることだったり、ふだんとは違う環境を共にする高揚感だったりが、文章からもよく伝わってきます。
読後感は爽やかではありますが、人によっては、盛り上がりに欠けるとかいまいちパッとしないとかいう感想になるかもしれません。まぁ高校生の話ですし、そこまで大人向けでもないので仕方ない面もあります。
個人的には、秘密を共有した二人の終盤のやり取りは良かったです。
著者の作品が初めてなので、いつもがどういう作風なのかは知らないのですが、他の本も読んでみようかな。ちょっと長そうだけど、次は『蜜蜂と遠雷』にチャレンジしてみたいと思います。
ではでは。


