書評 『決断=実行』(落合博満 著、ダイヤモンド社)

dandeです。

 

今回は、プロ野球中日ドラゴンズ元監督である落合博満氏の新書を取り上げます。

 

帯には、前著『采配』(落合博満 著、ダイヤモンド社)のアップデートと書かれており、迷わず購入しました。

 

私は、中日ドラゴンズのファンではありませんが、落合監督の野球は好きでした。あの時に活躍した荒木・井端(アライバ)も浅尾・岩瀬も、今年で全員が引退してしまいましたね。

徹底した進塁打・走塁で1点をもぎ取り、0点に抑えて勝つという勝ちにこだわった野球には、プロ野球の醍醐味を感じたものです。

 

前著『采配』と同様、本書にも監督時代のエピソードや、選手・コーチ・監督の関係、チームの勝利のために必要なことなどが書かれていました。

 

 

  目次

 

 

【『決断=実行』】

 

  

決断=実行

決断=実行

 

 

200ページちょっとで、読みやすい構成になっているので、割とすぐに読めると思います。

タイトルにある「=」は「イコール」ではなく、決断と実行をどんな関係と捉えるか「各々で考えてもらいたいという余白」であるとのこと。(218頁)

 

 

【主な内容】

 

 

 

【仕事に取り憑かれろ】

 

  

本書には、「はじめに」の文章がなく、目次をめくった次のページから本文が始まります。

 

そこでまず目に入ってくるのが、「仕事に取り憑かれろ」という言葉。

プロフェッショナルな落合氏らしい言葉だと思います。

 

この項で述べられているのは、「人目を気にせず、自分がこうだと思ったことをやり抜く」「しっかり結果を残せば周りは何も言わなくなる」ということです。

表紙の裏では、「認めてもらいたいと人に取り憑かれたのではなく、ただ野球という仕事に取り憑かれた。そうすれば、何も迷うことはなかった。」とあります。

 

これらの考え方は、後の項でもたびたび登場します。

 

「監督という仕事を通して私が痛感しているのは、自分自身の仕事は何かを常に忘れず、求められた役割を自分なりに全うすれば、周囲の誰もが何も余計なことは言わなくなるということだ。」(62頁)

 

 

【荒木選手のエピソード】

 

  

落合氏が監督に就任した2004年のエピソードが紹介されています。

 

荒木選手に対し、「アウトになってもいいから走れ」と伝えたというものです。

これ自体はそこまで珍しいものではないですが、たいていの監督は、走ってもアウトになると「なぜあそこで走るんだ」と言ったりするから、選手がなかなか走れなくなるそうです。

 

「常勝チームを作るには、選手が自分の考えや判断で動けるようにしなければならなかった。」(29頁)

「相手のベンチが、どのタイミングでその戦術を用いるのか分析しようと試みても不可能である。なぜなら、私のサインで動いているのではなく、荒木と井端が自分で考えて実行しているからだ。」(30頁)

 

 

 

【一芸に秀でること】

 

  

「オタク」という言葉について、落合氏は肯定的に捉えています。

 

『野球で大成したければ、あるいはプロ入りに近づくためには、投げる、打つ、走るーーどんな分野でもいいから一芸を磨けといわれる。』(108頁)

『かつて日本の社会は、クイズ番組で優勝するような、浅くても広い知識を持つ人がもてはやされた。しかし、時代の流れとともに、狭い範囲で何かひとつのことを探求している人の存在価値がクローズアップされ、彼らの活躍の場が増えている。企業でも、そうした人材が求められるようになってきたと聞く。

 私が定義するオタクとは「他の人が気づかないことに気づける人」だ。野球オタクこそ、自分を大成させる原動力になる。』(114頁・115頁)

 

 

【選手に求められる姿勢】

 

  

落合氏は、アドバイス(指導)を受け取る側になる選手に求められる姿勢として、「聞き上手になれ」「アドバイスされたことを試してみよう」という二点を挙げています。(206頁)

 

先述の「自分の頭で考える」とあわせて、素直な気持ちで接する(聞く)ことが必要だということでしょうか。

 

 

【まとめ】

 

  

上記では省略しましたが、強いチーム作りについても大枠の考え方から細かいことまで書かれており、こちらは、一プロ野球ファンとしてためになる内容でした。

 

本書では、主に選手・コーチ・監督について書かれていますが、内容は、ビジネスマン(会社員)にもあてはめられるものになっています。

 

仕事に向かう姿勢、プロフェッショナルについて考えるきっかけにもなると思います。

ぜひご一読ください。

 

ではでは。