dandeです。
今回は、久しぶりの読書記事になります。
【内向型を強みにする】
【概要】
「内向型」という心理学用語がタイトルになっていますが、わかりやすく「内向き」と捉えていいと思います。文字どおりですね。
内向性は生来の気質で、精神分析学者ユングが提唱した外向型/内向型連続体の分類に基づくものだそうです。
自分が外向型なのか内向型なのかを知るためのセルフチェック項目がいくつか書かれていますが、私は完全な内向型でした。
「内向型だから自分は○○な人間なんだ」と決めつけるのはよくないですが、気質としてこうなんだと知っておくのは重要だと思います。知らないと改善・対策もできませんし。
内向型人間の特徴として、本書で書かれていたのは、
・エネルギーを自分の中の世界(アイデア、感情、印象)から得る。
・感受性が高く、過剰な刺激を受けないように外からのインプットを制限している。
(本書P.20、24)
①考えがまとまるまでは話さない
内向型の人が熟慮のすえに考えを固めたときや、話題となった事柄について深い知識を持っていたときは、ものすごい勢いで話しだす。
②アピールが下手
③慎重
(本書P.50~53)
などです。
そして刺激を受けたときの神経伝達物質の経路が外向型/内向型で異なるという記述にも驚きました。伝達経路が違うということが返答の遅さや短期記憶の弱さにもつながっているようです。
図で説明されているページがわかりやすかったので詳しくはそこを読んでもらえればと思いますが、字で説明すると次のようになります。
・内向型の人の脳の主要な経路には、アセチルコリンが使われている。
・アセチルコリンは、注意力と学習力(ことに知覚学習)に働きかけ、穏やかな覚醒状態を維持する能力や長期記憶を利用する能力に影響を及ぼす。
・内向型の人のアセチルコリン経路は長く、ブローカ野・前頭葉を経路する。ブローカ野は言語野であり、心の中での独り言がここで活性化される。前頭葉では、思考・計画・学習・理論づけが行われる。
(本書P.74、77)
「心の中での独り言」は、内向的な人なら「あるある」なのではないでしょうか。私はしょっちゅうです。
【感想】
この本はおとなしい人の必読書だと思います。
著者の体験や考え方による記述が多いですが、↑↑のような学問的な記述も散りばめられているので、読んでいて納得感がありました。
「内向型は気質だから変えられない」「内向型の人が外向型に変わるのは難しい」というのを前提にしつつ、内向型の人がこの外向型優位の社会をどう切り抜ければいいかについても触れています。
自分の考え方や物事への取り組み方がどこか周りの人と違う気がする、と悩みを抱えている人はぜひ読んでみてください。何か良いきっかけになるかもしれません。
ではでは。