dandeです。
今回は、読書記事になります。
【『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』】
キャッチーな表紙ですね。
文体もやわらかく、イラストが多いのでネット記事を読んでいるような感覚になります。
【錯覚資産を増やそう】
本書のキーワードは、錯覚資産。
著者は、錯覚資産を「思考の錯覚」としつつ、次のように書いています。
ここで重要なのは、「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」は、一種の資産として機能するということだ。
本書では、これを「錯覚資産」と呼ぶ。 (本書P.14より引用)
採用試験や選挙で人を評価するとき、誰しもが無意識のうちに容姿などの実力以外の要素に影響されています。
このようないわゆるハロー効果によって引き起こされる錯覚を利用してやろう、という趣旨です。
もちろん錯覚だけで仕事ができるようにはならないので、ちゃんと実力をつける必要はあります。
ですが、そもそも実力アップのチャンスを与えられるのも上司の評価(好き嫌いを含んでいる)が高い人なので、そこで錯覚資産が必要になってくるという訳ですね。
さらには「優秀だから成功する」というありがちな経験則も「思考の錯覚」だ、と本書は言います。
つまり、「なんだかんだで、優秀だった奴は、だいたい成功している」と我々が思っているのは、「成功した」という結果になると、「その人間は、昔から優秀だった」と記憶が書きかえられるからなんだ。
そして「失敗した」という結果になると、「その人間は、昔からたいして優秀じゃなかった」と記憶が書きかわるからなんだ。
本当は、優秀なのに失敗した人だって、たくさんいた。 (本書P.115より引用)
これは肌感覚として何となくわかりますね。勘違いって怖い。
評価する側がこうなんだから、評価される側がちょっと錯覚資産を使うぐらい問題ないんじゃないかと思ってしまいますよね。
ハロー効果は除去できない、だとしたらそれを前提としてこちらが動くしかない、と考える方が現実的でしょう。
【『ファスト&スロー』を引用】
ハロー効果は名著『ファスト&スロー』で取り上げられた概念ですが、本書ではこれを現実世界に照らし合わせてわかりやすく説明をしています。
実際に、本書は引用文献として『ファスト&スロー』を挙げており、その内容を人生に活かすきっかけにもなるでしょう。
ぜひ読んでみてください。
ではでは。